歯を失ってしまった方へ
1本でも歯を失うと、健康上の問題に発展する可能性があります
むし歯や歯周病などの歯の病気、またケガによって歯を失うことは、誰にでも起こり得ることです。「歯1本くらいなら困らないし、少しの間放置しよう」というように考える方もいらっしゃいます。しかし、歯がない状態を放置することは、望ましい状態ではありません。歯は全て揃うことで、本来の機能を発揮し、1本でも不足すると次第に様々な健康上の問題が生じることがあります。
バランスが崩れた段階では、治療には長期間かかり、高額な費用がかかる可能性があります。現状のままで良いのか、今後のリスクなどについて気軽にご相談いただければと思います。
歯を失うと起こる悪影響
きちんと噛めなくなる
歯を失うと、噛む機能が低下し、食事が困難になります。特に固い食べ物や繊維質の多い食品を避けるようになり、栄養バランスが偏ってしまうのです。また、あまり噛まなくなるので、消化器系へさまざまなダメージを与えます。
嚙み合わせや歯並びが悪くなる
私たちの歯は空いたスペースが少しでもあると、その場所に移動するのが特徴です。つまり歯を失った状態をそのままにしていると、少しずつ隣接する歯が移動し始めます。すると歯並びが乱れ、噛み合わせにも悪影響を及ぼします。
むし歯や歯周病になりやすくなる
歯の位置が変わると、歯磨きが難しくなり、歯垢や歯石が蓄積しやすくなります。結果的に口腔内の細菌量が増えて、むし歯や歯周病のリスクが増加します。さらなる歯の喪失につながることもあり、非常に危険です。
見た目が悪くなる
歯を失うと、見た目にも大きな影響を及ぼします。前歯を失った時は見た目が大きく変わるので、すぐに治療を始めると思います。ただ他の歯を失った際も顔のバランスが崩れることが多いので、迅速に対応するようにしましょう。
歯を失ったときの治療法
歯を失ったとき、その部分を補う治療として、当院ではインプラント・入れ歯・ブリッジの3つの選択肢をご提案しております。それぞれにメリット・デメリットがありますので、患者さまに丁寧にご説明し、相談しながら治療方法を決めていきます。
インプラント
インプラント治療とは、失ってしまった白分の歯の替わりに、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を作製して噛み合わせを回復する治療法です。埋め込まれたインプラントが骨と結合してしっかりと固定されるので、ガタつきがなく、自分の歯のように噛めるようになり、天然歯の歯根と同様に機能します。その上に取り付ける人工の歯も患者さまに合わせて1本づつ造るので、見た目も噛みごこちも天然の歯とほとんど変りません。
機能的か | 〇(天然の歯に近い) |
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審美的か | 〇(天然の歯に近い) |
治療後の違和感 | 〇(違和感はほとんどない) |
周囲の歯への影響 | 〇(なし) |
顎の骨への影響 | 〇(なし) |
耐久期間 | 〇(半永久的) |
治療の条件 | △(歯周病や持病あると適用が難しい場合も) |
治療期間 | △(約6~24週 ※個人差あり) |
保険適用 | ×(保険外、自費診療) |
入れ歯
入れ歯は、人工の歯で作った歯を補う装置です。最大の特徴は、患者さまご自身で取り外しが可能であり、特に適用条件はないため、どなたでも入れ歯治療を検討することが可能です。お口の歯全部を補う総入れ歯と一部を補う部分入れ歯があります。
機能的か | ×(咀嚼が劣る) |
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審美的か | ×(入れ歯のばねの部分が目立つことがある) |
治療後の違和感 | ×(異物感を感じる) |
周囲の歯への影響 | ×(部分入れ歯の場合、ばねをかける歯に負担がある) |
顎の骨への影響 | ×(歯がない部分の骨が瘦せていく) |
耐久期間 | △(約7~8年 ※個人差あり) |
治療の条件 | 〇(適用条件なし) |
治療期間 | 〇(短期間) |
保険適用 | 〇(保険適用可能) |
ノンクラスプ義歯
これまで入れ歯と違い、金属バネが無く、薄くて軽い入れ歯です。入れ歯に金属のバネがある・ないの違いだけで口元の見た目は大きく変わります。従来の入れ歯と比較し、装着感の良い入れ歯なので、ストレスのない日常生活をおくることができます。
- 金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がない
- 薄く作製することで、使用時の違和感を減らす効果が期待できる
- 保険が適用できないため自費診療となる
- 特殊な素材で作製するので、破損した際、次の装置が出来上がるまでお時間をいただく場合がある
- 装置を固定するため、引っ掛ける歯がないと使用できない
- 治療期間
- 1日
- 治療回数
- 1回
- 料金
- 132,000円(税込)
金属床
粘膜にのせる入れ歯の土台部分が金属で作製されています。口を開いたときに見えやすい部分は、歯ぐきに似たような色で作ることで、金属が目立たないよう工夫されています。
- 保険診療のプラスチック(レジン)より頑丈で、薄く加工している
- 金属を土台に使うため、頑丈な義歯を作成でき、しっかり噛める
- 金属から熱が伝わり、味覚を感じやすくなることで、より食事を楽しめる
- 自費診療になるため、保険診療に比べ費用がかかる
- 金属アレルギーをお持ちの患者さまは使用できないことがある
- 素材に重みがあるため、金属床を装着した際に違和感を覚える場合がある
- 治療期間
- 1日
- 治療回数
- 1回
- 料金
- チタン床275,000円(税込)
コバルトクロム床176,000円(税込)
レジン床(保険適用)
入れ歯の土台がプラスチックで作られています。保険適用のため、安価に治療できることが最大のメリットですが、厚みがあるので熱が伝わりづらいです。食べ物の温度などを感じにくく、装着時の違和感を訴える方もいらっしゃいます。
ブリッジ
ブリッジは、複数本の歯を失った際に選ばれることの多い治療法です。失われた歯の両隣にある健康な歯を支えとして、連続した補綴物を装着します。橋のように隙間を埋めることから「ブリッジ」と呼ばれています。他の歯を利用することから、確かな噛み心地を実現できます。インプラントと違い、外科手術が必要ありません。当院では、患者様のニーズに合わせて保険適用または自費診療でのブリッジ治療を提供しております。劣化や損傷が発生した場合でも、新しいブリッジを作製することで迅速に対応可能です。
機能的か | 〇(天然の歯に近い) |
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審美的か | △(保険適用のブリッジの場合、審美性が劣る) |
治療後の違和感 | 〇(ほとんどない) |
周囲の歯への影響 | ×(隣り合った歯を削る) |
顎の骨への影響 | ×(歯がない部分の骨が瘦せていく) |
耐久期間 | △(約7~8年 ※個人差あり) |
治療の条件 | △(ブリッジを支えるための隣接する歯が必要) |
治療期間 | 〇(短期間) |
保険適用 | △(保険適用、自費診療どちらのブリッジもあり) |